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【ブランディングコラム集バックナンバー】



◆コラム:ブランドには3つの種類がある



ブランドその3.コーポレートブランド

個人ブランドとプロダクトブランドが成立して初めてコーポレートブランドが構築される。


個人ブランドで信頼を勝ち得て、プロダクトブランドでその評価の裏付けを強固にし世間に価値を創出することができるようになり会社が発展していくことにより、会社全体が評価されるコーポレートブランドが確立されていくことになります。(最初の段階から計画的にここを目指して行動しなくてはなりません)

強力な個人ブランドはお客と社員の信者化を進めます。リピート率も上がり、社員も同じ方向を向くようになり、一見うまくいっているように見えるでしょう。しかし…もしあなたがこの世からいなくなったり事業継承を行ってしまえばその効力を失ってしまうことを忘れてはならない。また、プロダクトブランドは代価商品が出てくればすぐに失われてしまうかもしれません。

そのようなリスクを避けながらさらに事業を発展させるためには、社員一人一人が個人ブランド化された経営者の意志(ビジョン・ミッション)と行動を踏襲し、社員一人一人がお客様にブランドとして評価される人材になることが必要となります。

また、「自分たちができることを通して世の中に価値を生み出したい」という意志を根本として、そこから一つだけでなく様々なブランド商品が生み出されるようになることが必要です。(社外に対するブランドは内部に対するブランドが確立されないことには成立しません)

ブランド構築は創業者の個人ブランドとプロダクトブランドの両輪から始まり、最終的にはコーポレートブランドの確立を目指す行為です。そして一度その3つのブランドが確立された後は、どれか一つでもその一貫性が失われてしまえばブランドは意味をなさなくなります。

(あなたのブランドがもし偽りのものだったとしたらそれはいずれ必ず崩壊します。ブランドは身に纏うものではなく、自分の中からあふれ出てくるものだからです。)ブランドは3次元的な軸を持って評価されるもの。(その企業が出す商品・サービス・社員は一貫して○○という価値を社会に生み出していると認識されるようになって初めて「○○ならあの会社しかない」という評価をお客様から得ることができるのです)



(補足)コーポレートブランドの功罪

コーポレートブランドが大きくなればなるほど「ブランドネーム」だけで商品が選ばれるようになったり世間で見聞きしたイメージに魅せられた就職希望者が集まるようになってきます。そうやって集まったお客は本当にその商品の良さを理解した人たちやその商品を使うべき人たちであるとは限りません。また、そうやって集まった就職希望者もトップのビジョン・ミッションを踏襲し得る価値観を持った人物とも限りません。

会社が大きくなればなるほど末端まで行きわたったブランド構築が難しくなります。コーポレートブランドが一端確立されると、働く社員はそれにあぐらをかいて個人ブランドやプロダクトブランドの内部に対する影響力が落ちてきます。

(往々にしてビジョンが浸透せず売上至上主義になったり、社員のモチベーションが低下してしまいます。お客のためになる行動を心がけることも無くなり、結果として品質もサービスも低下します。有名企業でブランドがあるように見えても、案外それは見せかけの場合が多いのが事実。そこに中小企業のチャンスがあるのです)

ブランドの内に対する影響力が無くなっていけば外に対する影響力もなくなっていきます。良いイメージを持続させようと広告を打てば打つほど中身との乖離が明るみになるという事態も起こり得ます。

もともとどういう意志を持って商売を始めたのか、経営者個々の判断によるところもあるが、会社を大きくすることを目指すことが全てではないことがわかるでしょう。(時代背景を考えるとなおさらです)

大企業だからこのようになるというのではありません。大企業になると(大企業を目指すと)ブランドが自分たちのためにあるものと勘違いしてしまいがちになるからこういう事態になりやすいのです。

社内がいくらブランドに基づきシステム化・マニュアル化しようとも、それがブランドはお客がよくなるためにあるものであることを認識していれば、何のためにそれをするのかが理解できていれば社員は思考停止に陥ること無く価値の高い商品・サービスを大企業であっても提供できるようになるはずなのです。

客に対してとる行動・提供するサービスの良し悪しがそっくりそのまま自分に跳ね返ってくることを理解しておかなくてはなりません。

最初は起業家としてひとりで事業を立ち上げてもいずれ引退の時を必ず迎えることになるでしょう。その事業をその後も続けようと思う(続けるだけの社会的価値があるのであれば)後継を育てなくてはならないわけで、それにはシステム化・マニュアル化を図り自動操縦できるような組織を構築しなくてはなりません。

社長がいつまでも何も考えずがむしゃらに現場でバリバリ仕事をしていてはダメだということです。社長が仕事をしなくてはならない会社は社員教育ができていないということの証であり、社長に戦略実力が無いことを証明しているのと同じであり、恥ずべきことと考えるべきでしょう。

(また、社長がバリバリしなくては社員がついてこないという状況は、社員が自らの意志で進んで快く仕事をしている状況ではない可能性があり、恐怖政治的経営を行っているおそれがあります。社長は社長にしかできない仕事をするべきです。自身が貰っている給料を時給換算すると、より生産性の高いやるべきことがあることがわかるはずです)

「社長である自分が現場でこれだけ頑張っていれば社員のみんなは自分を評価してくれる」と思っていたら大間違い。何も言わなくても動いてくれる仕組みと人材を作ることが大切です。それには戦略の勉強を進める結果社内のシステム化を促進させること+明確なビジョン・ミッションを社内外に打ち出すことが重要です。

後継者は個性を自分の大事にするのも悪くはないですが、育てる方は自身の分身を作るような気持ちで育てることが必要でしょう。経営は性格で行うものではなく正確に行うもの。あくまでゴールデンルールを外さないことが前提でその上で自身の持ち味を活かすことが大切です。

社長が第一線で実務をすることを100%否定しているのではありません。社長がそうする理由を単に「目先の仕事をこなし毎日の売上を上げること」にしてはならないということです。それが例えば社内の現状把握をすることであったり、お客様の生の声を聞いたりリサーチのためであったり、行動を通じて社員にビジョン・ミッションを踏襲させる目的であったり…理由は何であっても良いのです。自分が働いた分だけ対価を得るのが社長の仕事ではなく、それプラスアルファで今後の生産性を一気に高める可能性を秘めたことに時間を費やし、もちろん最終的にそこ(最終目的)につなげることが社長の仕事なのです。









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