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【ブランディングコラム集バックナンバー】



◆コラム:「ブランディング戦略に不可欠なイノベーター理論」



【消費者理解の鍵=オピニオンリーダーの理解】


さて、ここまででブランド構築において、いかにオピニオンリーダーを自社の味方につけるかが大切であることがお分かりいただけたことと思います。

オピニオンリーダーを味方にするには、彼らがなぜオピニオンリーダーになりたがるのか?等、彼らがどのような価値観を持ち何を欲しているのか?彼らの根源的な欲求を知ることがまず重要です。



●オピニオンリーダーの6つの欲求

1.他人に話すことで自分の購買の不安を取り除きたいと思うから
2.他人と経験を共有したいと思うから(帰属の欲求)
3.自分がその道のプロとして認められたいから(エゴ)
4.他人のためになりたいから(自分の大切な人に失敗して欲しくない)
5.商品に予想以上に満足をし、感情的に誰かに伝えずにはいられない。
6.その商品を扱う会社への高い帰属意識(ロイヤルティ)を持ち、自らがその会社の宣伝マンの役目を担うことでその会社を応援したいと思う

自社の利益を上げるため利用する為のオピニオンリーダーに近づくのではなく、上記の欲を満たすにはどうすればいいのか?を考えてアプローチをすることで良い協力関係を築くことが可能となりまする。オピニオンリーダーの欲を満たすアプローチ方法(訴え方)の様々なアイディアが浮かぶのではないでしょうか?





(補足)

新しい技術などが顧客企業の商品開発などに直結する生産財業界の方が、消費財業界以上にオピニオンリーダーを押さえて自社のイノベーションを市場に定着させる重要性は高い。

イノベーターは富裕層であることが多い。新しいものや高級なものを見せびらかすにもお金が無ければできないからだ。自己顕示欲が強いのは富裕層かそれに憧れを持つ人たち(自分で購買の価値判断基準を持っていない女性・若者等)である。

一般的な高級ブランドはイノベーターと彼らに憧れを抱くマジョリティを顧客としている。売り手は人間の根源的な欲求(自己顕示欲・性欲等)に訴えかけているので儲かっているが、それらのお客のロイヤルティは本当に高いとは限らない。彼らは商品が作られた経緯や経営者の想いなどどうでもよいと思っているかもしれない。

自分の欲求を満たしてくれることだけがその商品・会社の仕事だと思っているかもしれない。自分自身が飽きてしまったりブームが去ってそれを持つことが(自分では無く)周りから評価されなくなったらそのお客は簡単に去っていくかもしれない。いくら思い入れを持って商品を作ってもお客はその価値を理解していないかもしれない。そんな彼らは決して本来付き合うべき客ではないことを知っておくことが重要である。

新らし物好きなイノベーターは、自ら能動的に自分が所持しているものを(見せびらかすことはあっても)他人に薦めることはほとんどない。(彼らはあくまで自分たちのエゴを満たすためにそれを購入したのであって機能的な価値についてはあまり深く理解していないことが多い。理解しているフリをするが、そんなものには実際興味を持っていない)

しかし、富裕層で存在自体がそれなりの影響力を持つ彼らは自ら能動的に薦めなくても、彼らがそれを実際に所持し、公の場所でその姿をさらすことで、彼らに憧れを持つ一般消費者層(マジョリティ)の販売意欲を高めるという影響も生まれる。(受動的な口コミ効果がある) 

その結果うわべではブランドが構築されたように見えるが、マジョリティはあくまで「なぜ良いか実際のところあまりわからないが、みんな良いと言っているのだから良いものと信じてそれを買うのだ。」「憧れの人が持っているから自分もそれを所持することで彼らの仲間入りをしている気持ちになりたい。」という意識で物を買っているのであって商品そのものの良さを理解して購入しているわけではない。

単にブームに乗っているから今だけ売れているわけで、ブームが去っても長期にわたってリピート購入を繰り返すになることはない。本来、その商品の良さを本当に理解して広めようとしてくれたはずのオピニオンリーダーも、市場のみんながそれを知ってしまえばそれを所持する意味が無くなってしまう。

企業側は、デファクトスタンダードになることを夢見て市場を一気に拡大させようとすると一瞬大きな花火は上がるが短命に終わることが多い。最初から次々と成長カーブを創出し続けて生き残る戦略を選ぶのであれば問題はないが、そのやり方は商品開発と広告宣伝費のための莫大な資金が無ければ無理。商品の価値を最大限に高めて持続させようと思うのであれば、「与えすぎない」「希少価値を保つ」「簡単に手に入らないようにする」ことだ。

“ブレイクは衰退のはじまり”だということを覚えておくこと。「儲けを追求しようとすると逆に儲からなくなる」と言われる理由がこれである。あなたが商売を始めたのは、自分の商品の良さを理解してくれる人たちと付き合うことが目的だったのではないか?人間の低俗な欲求を満たすためにあなたはその商品を生み出そうと思ったのか?

人間のエゴをくすぐる商品を作って儲かる時代はもう終わった。あなたが本当に付き合うべき客は、あなたの商品・商売への想いを理解し、あなたの商品の良さを理解し、そのベネフィットに感謝の心(共感や憧れの念も)を抱いてくれるオピニオンリーダーであり、少しでも多くのそういう人たちを見つけ彼らと少しでも長く良い関係を築くことが商売の目的である

また、マジョリティの中にもあなたの商品を本当に必要としている人はいるはずである。しかし彼らはその分野に関しては比較検討した経験が薄いことから自分が本当に何が欲しいのか何が必要なのかをわかっていない場合が多い。明確な価値判断基準を持っていない。

(これまでの大企業は消費者に対して明確な価値判断基準を伝えてこなかった。イメージでごまかしたり情報を制限して売っても消費者は盲目的に購入してくれたが、今やどのような分野においても○○オタク(オピニオンリーダー)が存在し、彼らが語るその分野の商品についての真実の情報をネットで簡単に取り入れることができるようになった。今までのごまかしは効かなくなり、本物しか生き残れない時代になっている。だからこそブランド構築を目指すことが急務である。)


※人は口コミを本当に参考にするのか?…「その人の口コミならぜひ購買の参考にしたいと思える人が自分の周りに何人いるか?」という問いに対する答えで最も多かったのが「二人」という結果がある調査で出た。昔から「最大の口コミはテレビ・新聞・雑誌等のメディアである」と言われてきた事実に変わりはないが、個々のレベルで起こりうる身近な「口コミ」の質は、近年のITの普及により「信頼できる人」の定義が変わってきたことで変化してきた。

マジョリティがある商品に興味を持ち、それについての情報を集める時、最も先に見るのはインターネットである。「それについて情報が欲しい」と思ったときに、すぐに的確な情報を教えてくれるのはテレビや新聞・雑誌ではなく「インターネット」である。インターネットは「欲しい」と思ったらゼロ距離ですぐに情報を(商品自体も)手に入れることができる。一般的には信頼度はオフラインの媒体に軍配が上がるが、「スピード」ではインターネットに勝るものはない。

インターネットは様々な情報が流れているため自分で情報を吟味することが必要になる。インターネットを活用し最初は何度か失敗を繰り返すこともあるかもしれないがそれによりで自らの価値判断基準が徐々に鍛えられていく。また、同時にネットの世界では自分と同じ悩みを持った人たちやすでにそれについて自分より多くの経験と情報を持っている人がいることを知る。(コミュニティーリーダーがネット上のオピニオンリーダーである)その人たちがお互いに関わりを持つ中で帰属欲求が高まりコミュニティが形成されていく。そこでやり取りされる情報が主な購買の価値判断基準として形成される。

つまり、もはやオフラインにおける身近な人からのおススメで購入を決める人はほとんど存在せず、ネットから得られる情報によって最も購買が左右されているという仮説が立てられる。企業はオフラインの媒体によるPRももちろん活かしつつ、ネット上でいかにコミュニティリーダー(オピニオンリーダー)を味方にすることができるか、もしくは自ら中心となってコミュニティを形成していけるかがカギとなる。









 

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